刑事事件の「横領罪」の種類と罪の重さの違いについて

「横領罪」には2種類あります

自分が占有している他人の物を勝手に自分の物にしてしまった場合は、刑事事件の横領罪に該当することになります。
ただし、その犯罪態様から、単純なものと業務上のものの2種類に分けることができます。
そして、業務として他人の物を占有している者がその所有権を侵害する行為を行った場合の方が、重い罪に問われることになっています。

「単純横領罪」と「業務上横領罪」の違い

単純横領罪は、刑法252条1項に定められている犯罪です。
この罪を犯した場合の法定刑は5年以下の懲役です。
一方、業務上横領罪の方は刑法253条で定められています。
そして、その法定刑は10年以下の懲役とかなり重いものになっています。
なぜそのようになっているのかというと、業務で他人の物を占有している者の方が、それを我が物にしてしまおうという誘惑にかられやすい地位にあるので、あえて厳しく取り締まる必要があると考えられているためです。

横領罪にも時効があります

 ただし、他の犯罪と同様に時効が存在しています。
犯罪行為が行われても、一定の期間内にその事実が発覚しない限り、刑事事件としての罪を問われることがなくなってしまいます。
時効期間は法定刑の長さによって決められています。
具体的に言うと、法定刑が5年以下の懲役刑の場合は、犯罪が行われてから5年で時効にかかることになっています。
また、法定刑が10年以下の懲役刑の場合は、7年が時効期間とされています。

業務上横領罪は示談⇒退職で処理されるケースも多くあります

 実際には、刑事事件として裁判で争わずに、当事者間で被害弁済による問題解決を図るケースが多いです。
たとえば従業員が会社のお金を自分の懐に入れていた場合、それが公けになることは、会社にとってあまり望ましいことではありません。
会社の信用が大きく損なわれてしまう可能性が高いため、よほどのことがない限り、示談で済ませるケースが多いです。